かいじゅうのうた(改)

僕は願った 毎晩願った
苦しみも痛みも夢であれと
朝 目が覚めて カーテンを開けたら
全部無くなっていたらいいのにと

孤独と友達 つまり一人ぼっち
呪いの解けぬ日々の中で ある日
朝 目が覚めて カーテンを開けたら
大きなかいじゅうが顔を出した

「大丈夫 怖がらないで
願いごとを言ってごらん
君が望むなら僕が
全部壊してあげるから」

しばらくすると 勇者が現れた
かいじゅうの前に立ちはだかると
人々は叫んだ 「早く殺してくれ」
「醜い悪魔に 死の制裁を」

正義の刃に貫かれて
彼は最期にこう言った
「君だけは 負けないで
"正しさ"という暴力に」

彼は倒れた 平穏が戻った
町中 歓声が溢れる中
僕は一人泣いた 彼を想い泣いた
僕だけのヒーローにこれを捧ぐ