もしも/いつか

もしも私が大学を出ていて
福利厚生の良い会社に勤めて
まともにお金を持っていて
たまには親に旅行でも贈れるような
手堅い人生だったなら

週末の休み 彼と待ち合わせ
白昼堂々と手を繋いでデートして
連絡 毎日 当たり前
浮気も借金も無しの「普通」の人に
愛し愛されて幸せだったかな

もしも、ああ、もしも
そんな生き方を
もしも、ああ、もしも
選んでいたのなら
明け方 白んでいく空に覚えた罪悪感を
まさか歌にしようだなんて
思わないよな

いつか私が今よりも売れて
悠々自適な暮らしを手にしても
欲しいものはたった一つに決まっている
変わらず部屋に篭りながら
歌をうたって、作って、ピアノを弾くんだろう

いつか、ああ、いつか
こんな生き方を
いつか、ああ、いつか
胸を張れる日まで
真夜中 ぐしゃぐしゃになった心で
立ち向かうのは
何かの所為にしそうになったこの弱さだ

いつか、ああ、いつか
今日ではないけれど
いつか、ああ、多分
明日でもないけれど
いつか、ああ、いつか


いつかっていつだ?

人生はクソだ
私は誰よりも馬鹿だ
何にもなれないまんま
大人になったけれど
"もしもの人生"、"いつかの未来"
そんなのどうでもいいや

答えは、そう、
あなたに今届いたこと
これが全て