降伏(懇願)
勝手にしろと言うなら そうさせてもらうね
黙らせたいなら 私の手足を縛り上げて
口を塞いで 土の中にでも埋めてよ
凪いでいる あなたの穏やかな海に
風を吹かせて 大きな波を立てたいの
私がいくら泣き叫んでも 喚いても
あなたは 微動だにせずに
ひらりとかわし 優しい声で
「わかっているよ」と 私をあやしつけた
引き摺り回して 擦り減らして 小さくなった心
痩せた喉から振り絞る声は掠れてしまうね
でも あなたが望むなら 何もかも全部あげるよ
跪いて 頭を垂れて
冷たい床に額を擦り付けて
懇願するの
お願い 私を忘れないでいて
私がいくら泣き叫んでも 喚いても
あなたは 微動だにせずに
ひらりとかわし 優しい声で
「必要ないよ」と 私を突き放した
視界が次第にざらざらになって
前頭葉が蕩け出して また悪さをするの
あなたの言う通り 私は正気じゃない
致死量を超えた幸福に侵されて
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