アウトサイダー

心臓が不穏なリズムを刻んでいる
急行 途中下車した僕は"部外者"だ


学歴と経歴自慢の飲み会で
肩書き一つ無い僕は"部外者"だ


「普通の生き方」とやらに心抉られる度
その窪みを埋め立てるように言葉書き殴る


持たざる者にだけ届く周波数で
囁く悪魔の声が聞こえる
「求めよ、然らばきっと与えられん」
死に損なった日々にクソ喰らえ
アウトサイダー




睡眠も食事も会話さえ儘ならない
薬を切らしてしまえば僕は"部外者"だ


ベッドを飛び起きるような
心弾む朝など遠い過去
カーテンさえも開けず日が暮れる


気高き孤高の狼になれないまま
群れからはぐれた羊の僕さ
温もりを跳ね除けたフリをして
はみ出し者の歌を轟かす
アウトサイダー




致死量未満の薬 かき集めても
飛び込めなかったプラットホーム
幸か不幸か人生は続く
踏み外した足を引き摺っても尚




持たざる者にだけ届く周波数で
似たもの同士の君に伝言を
「求めよ、然らばきっと与えられん」
誰も通らぬ道を踏み締めろ
アウトサイダー