かいじゅうのうた(仮)
(悲しいこと、苦しいこと、
食べ尽くして、大きな、大きな、
かいじゅうになれたらなあ。)
「明日なんて来なくていいのに。」
目が覚めたら、全部、
失くなっていてと眠る君。
大丈夫だよ、僕がいるよ。
君の町も、君の苦しみも、
全部壊してあげるから。
「これが全部夢ならいいのに。」
立ちはだかる現実よ、
消え去ってくれと願う君。
大丈夫だよ、今すぐ行くよ。
君を笑う奴も、悲しみすらも、
遠ざけてみせるから。
やがて正義のヒーロー様が、
僕を殺しにくるだろう、
それも、まあ、構わないさ。
な、ぜ、な、ら、ば。
歓喜の声、その片隅で、
たった一人、そうさ、君だけは、
きっと涙を流すから。
僕を想ってくれるから。
真っ黒けで、
ぐちゃぐちゃなこの心だけど、
今日は立ち向かうんだ、
"正しさ"という暴力に。
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